【飼い主さん必見】
プレドニゾロンで愛犬のアトピー解消!


プレドニゾロンとは、犬のアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の治療薬です。
別名ステロイドとも呼ばれており、そちらの方が聞き馴染みがあるかもしれませんね。
ですが聞き馴染みがあるだけに、「ステロイド=副作用が多くて怖い」というイメージもお持ちなのではないでしょうか。
また、それ以前にステロイドもといプレドニゾロンがどういう薬なのか、ご存じない方も多いでしょう。
そこで今回は、そんなプレドニゾロンを徹底解剖したいと思います。
効果や特徴はもちろん、飲み方や使用上の注意点まで一気にご紹介しましょう。
目次
プレドニゾロンとは?
プレドニゾロン(ステロイド)は、犬のアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の治療薬です。
過剰な免疫反応を抑えることで、かゆみの症状を鎮めます。
皮膚疾患の治療薬として、古くから使われているポピュラーな薬です。
そんなプレドニゾロンについて、次の項目で詳しく説明いたします。
効果

繰り返しになりますが、 プレドニゾロンには、過剰な免疫反応を抑える効果があります。
免疫とは、体内に入ってきた病原菌や毒素などから体を守る機能のこと。
私たち人間や動物が健康でいられるのは、この免疫機能が働いているおかげなのです。
ですがアトピーやアレルギーにかかると、免疫機能は体に害のない花粉やダニなどにも過剰に反応し、かゆみの症状を引き起こします。
このような免疫機能の過剰反応を鎮め、間接的にかゆみを抑えるのがプレドニゾロンの効果なのです。
その他の効果
- エネルギーの摂取を体に促す
- 炎症を抑える
特徴
アトピーやアレルギーの治療薬には、プレドニゾロンの他に次のような種類があります。
- アポキル
- アトピカ
3種類とはいえ、種類が多いとどれを選べばいいか分かりませんよね。
しかもカタカナばかりで、とても覚えきれません…。
そこで今回は次の比較表をもとに、プレドニゾロンの特徴をひもときたいと思います。
プレドニゾロン (ステロイド) |
アポキル | アトピカ (シクロスポリン) |
|
---|---|---|---|
安全性 (副作用の少なさ) |
✕ (多飲多尿、食欲異常など) |
○ (軽度の嘔吐や下痢) |
○ (一過性の軽い嘔吐・下痢) |
効き目が表れる時間 | アポキルと同等 | 4時間 | 1ヶ月程度 |
価格(10kg小型犬) | 100円/日 | 約250円/日 | 約500円/日 |
表の通り、プレドニゾロンの特徴は副作用の多さと値段の安さです。
副作用について

プレドニゾロンには、次のような副作用があります。
- 下痢
- 多飲多尿
- 食欲亢進(食欲が増すこと)
- 糖尿病 など
また、副作用の発症率についても、次のような調査結果があります。
アポキルとステロイド剤の副作用発症率
- 多飲多尿、不適切な排尿等 ⇒ アポキル5.7% ステロイド剤42%
- 食欲異常、体重増加 ⇒ アポキル7.6% ステロイド剤16.7%
zoetisアポキル錠の開発メーカー
このような副作用の症例と発症率の高さから、「プレドニゾロン(ステロイド)は怖い薬だ」というイメージが強くなってしまいました。
ですがプレドニゾロンが「怖い薬」になるのは、用法・用量を間違えた時がほとんどです。
また犬は、人間に比べてプレドニゾロンへの耐性が高いと言われています。
そのため、きちんと量と回数を守って飲ませれば、大きな副作用はめったに起こりません。

加えて、プレドニゾロンには即効性の高さはもちろん、他の薬と比べて値段が圧倒的に安いというメリットもあります。
一ヶ月あたりの費用比較(10kgの柴犬の場合)
- アポキル11,340円/月
- アトピカ15,210円/月
- プレドニゾロン2,700円/月
そのため、なるべく費用を抑えつつ治療したい方や、現在他の薬を使っていて「家計がキツイ…」という飼い主さんに、プレドニゾロンはオススメです。
だとしても「いやお金より安全の方が大事だよ!」と思われる方も多いでしょう。
いくら危険はほとんどないといっても、副作用が多いのは事実です。
その場合は、副作用の少なさと即効性の高さに優れたアポキルをオススメいたします。
また、より副作用を気にされる場合は、ゆるやかな効き目で副作用のリスクを抑えたアトピカも検討してみてください。
プレドニゾロンの使用方法
プレドニゾロンは、体重1kgあたり0.5mg~1mgを12時間おきに投与してください。
ただし初めて使うときは安全のため、0.5mgを基準として考えると良いでしょう。
(例えば10kgのワンちゃんの場合は5mg、25kgの場合は12.5mg、という具合)
また、プレドニゾロンには1mg/5mg/25mgの3種類があります。
上記の基準をもとに1回あたりの投与量を計算し、その投与量で割り切れる種類を選ぶのがオススメです。
もし割り切れない場合(上の例で言えば投与量12.5mgの場合など)は、半分に割って投与するなどして調整しましょう。
錠剤の割り方

プレドニゾロンには中央に割線があり、2分割することが可能です。
図のようにスプーンの背中(膨らんでいる方)に錠剤を乗せ、割線の両サイドを指で押さえると簡単に割ることができます。
カッターナイフなどで切るより手軽なので、ぜひやってみてください。
それでもうまく割り切れない場合は、一瞬でキレイに真っ二つにできる「ピルカッター」をご利用ください。

プレドニゾロンの注意点
プレドニゾロンを服用する際に、気をつけなければいけない点が2つあります。
それが「併用注意(併用禁忌)」と「飲ませてはいけない場合のこと」です。
それぞれの項目で詳しく見ていきましょう。
併用注意(併用禁忌)
併用注意とは、ある薬を投与する際に、なるべく一緒に与えるべきではない薬を指します。
その薬と併用することで、薬の効果が増減したり、予期せぬ副作用が起きたりする恐れがあります。
プレドニゾロンの併用注意の薬は、次のとおりです。
- 非ステロイド性抗炎症薬:メタカムなど
- 抗てんかん薬:フェノバルビタールなど
- 免疫抑制薬:アトピカなど
- プレドニゾロンと同じ作用のある薬
以上の薬を現在飲ませていないか、あるいは今後飲ませる予定はないか、必ず確認しておきましょう。
飲ませてはいけない場合
愛犬が以下の病気にかかっている場合、プレドニゾロンは使用しないでください。
症状が悪化する恐れがあります。
プレドニゾロンを飲ませてはいけない病気
- 真菌症
- 胃潰瘍
- 精神病
- 結核
- 白内障
- 緑内障
- 高血圧
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 血栓症
- 腎不全
- 肝硬変
- 骨粗鬆症
- 脂肪肝
- 甲状腺機能異常
- 肝炎
- 電解質(ミネラル)異常
また、妊娠中や授乳中のワンちゃんへの投与も控えてください。
まとめ
プレドニゾロンは確かに副作用が比較的多く、危険なイメージが強い薬です。
ですが用法・用量さえ守れば副作用は抑えられ、かつ値段の安さは他の皮膚病の薬と比べて圧倒的です。
皮膚病は長く向き合う病気なので、お薬の値段はとても大切。
かかりつけの獣医師さんにご相談の上、ぜひ検討してみてください。